宗教法人に行政指導 高崎の墓地開発計画で 県『近隣40戸の了承必要』



 都内の宗教法人が高崎市行力町で計画する墓地開発をめぐり、地元住民が反対し、県が行政指導していることが二十六日、分かった。墓地開発は、県条例で住宅から百二十メートル以上の距離が必要。この距離内に住宅がある場合、県は全戸の合意を求めている。今回は該当する住宅が約四十戸あるが、住民は二百六十一人分の反対署名や陳情書を県高崎保健福祉事務所と市に提出するなど反発を強めている。 (菅原洋)

 計画地は、県内の建設会社が所有する約三千平方メートルの資材置き場。宗教法人が昨秋開いた住民説明会では、八百三十三区画を計画し三月に着工、八月に完成見込みと説明したという。

 県の墓地、埋葬等に関する条例の規定にもかかわらず、計画地には住宅四戸が近接。約四十戸の大半が計画に反対し、周囲を含めた区長十人が反対署名した。計画地の隣に住む行力町区長の中村正さん(68)は「毎日八百以上の墓を見せられるのは心理的に苦痛。墓参り時期の渋滞や線香のにおいも心配。地元の寺ではなく、住民の宗教感情にも合わない」と懸念している。

 県高崎保健福祉事務所保健課の田口伸也課長は「百二十メートル未満に一戸でもあれば行政指導が必要。宗教法人には、全戸から計画の了承を得るよう指導している」と話す。県衛生食品課は「現状では県が開発を許可するのは難しい」としている。墓地が開発された場合に管理事務所の設置許可をする高崎市建築指導課は「県の動向もみて判断したい」としている。

 この宗教法人の幹部は「住民との話し合いで解決するように努力したい。強引に進めるつもりはない」と説明する。計画地を所有する建設会社によると、土地の売買契約は墓地の開発許可に合わせて成立し、現時点で契約を破棄すると違約金が生じる。同社の経営者は「無理に計画を進めてほしいとは思ってない」と語った。


(2009年1月27日 東京新聞





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