お墓はどうする?(2) 永代使用と永代供養



ファイナンシャル・プランナー 山田 静江
 私がまだお墓のことをよく知らなかった頃、最もわかりにくかったのが、「永代使用(墓)」と「永代供養(墓)」の違いです。

 永代使用とは、最初に一時金で「永代使用料」を払って、お墓(墓地や納骨堂)を使用する権利を購入し、その後「管理料」などを払い続けることで、ずっとそのお墓を使うことができるというものです。従来型のお墓はこれにあたります。

 これに対して永代供養墓とは、子どもがいないなど、お墓の面倒を見てくれる人がいない場合に、お寺などで代わりに管理・供養してくれるものです。独身や子どもがいない人、夫と同じ墓に入りたくない女性などを中心に、注目が集まっています。

永代使用のお墓の種類
 永代使用のお墓には、墓地(土地)を借りて、そこに自分の好みの墓石を建てるタイプと、ロッカーのような納骨堂方式のものがあります。前者は借地権付きの一戸建て、後者は賃貸マンションに例えるとわかりやすいかもしれません。

 運営主体で見ると、寺が運営する「寺院墓地」、自治体による「公営墓地」そして民間企業経営の「民営墓地」の3つに分けられます。

 寺院墓地はその寺の檀家に対して墓地を提供し、住職が供養も行います。永代使用料や管理料のほか、お寺の行事のときなどにはお布施を払うことになりますが、頼めばいつでも供養してもらえるという安心感があります。

 公営墓地の魅力は墓地の単価が安いことです。ただし、広めの区画であれば、墓地代も墓石などの費用も高くなりますので、支払い総額は他と変わらないか、かえって高くなることもあるようです。また人気が高く抽選に当たらないと購入できない場所もあります。

 民営墓地は、立地も種類も金額もさまざまで、空いていればすぐに購入できるのが魅力です。全体のイメージを保つため、墓石などが指定されているところもあります。

永代供養墓とは
 永代供養墓は、最初に一時金で費用を払えばずっと供養してくれるお墓です。他の人と同じ場所に入るタイプ(合葬墓)が主流ですが、当初は通常形式やロッカー形式のお墓に個別に埋葬して、33年など一定期間が過ぎたら、お骨を合葬墓などにまとめるというタイプもあります。

 合葬墓なら費用も安く済むので、墓地や埋葬にお金をかけたくないという人にとっても、メリットがあるでしょう。亡くなったあとずっと供養してもらえるという安心感も手に入れられます。

 非婚化や少子化で家やお墓を代々継いでいくという慣習がすたれつつある時代には、永代供養墓のような個人単位のお墓が主流になっていくのかもしれません。

 シングルのお墓の問題を意識したのは、独身の女性から、マネープランの相談の合間に「自分のお墓はどうしたらいいのか不安になる」と聞いたときです。男性と比べて女性の方が、自分が死んだ後のことをあれこれ思い悩むもののようですが、亡くなってからの実務的なことは、どんなに頑張っても自分で始末することはできません。最近、女性向けに生前予約できる永代供養墓が作られているのは、とてもいいことだと思います。最後の行き先が決まっていれば、安心して残りの生活を楽しむことができるでしょう。

プロフィール
山田 静江 (やまだ・しずえ)
1961年東京生まれ。CFP(r)。銀行、税理士事務所、FP事務所を経て独立。お金に関する記事の監修・執筆、相談業務、セミナー講師などを行っている。娘2人。NPO法人らしさ副理事長


(2009年1月22日 読売新聞





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