足りぬ公営墓地/財政難で基本計画策定遅れ



県内で公営墓地を設置している市町村が六月末現在で十五市町村にとどまり、新規の墓地需要に十分に対応できない恐れがあることが、四日までに分かった。県薬務衛生課によると、地方分権改革推進法によって、二〇一〇年には墓地の許可事務が県から市に委譲される見通し。同課は各市町村に墓地行政の基本的な方向を示す「市町村墓地基本計画」の早期の策定を呼び掛けているが、財政難などのため進んでいない。

公営墓地を設置しているのは、那覇、うるま、宜野湾、宮古島、石垣、浦添、名護、沖縄の八市と、金武、嘉手納の二町、恩納、伊江、渡嘉敷、座間味、伊是名の五村で、計十五市町村。

県薬務衛生課によると、近年、伝統的な共同(門中)墓は少なくなり、個人墓を建立する傾向が強いという。公営墓地が整備されない場合、個人墓が散在するなどして土地利用に支障が出るほか、家族の移住や継承者がいなくなることで、「無縁墓」の放置が増える恐れもある。

無縁墓の移転には多額の費用が掛かる上、墓地拡大が、ごみの不法投棄など住民とのトラブルにつながる可能性もあり、同課は「このままだと、墓地が『迷惑施設』になりかねない」と懸念する。

那覇市の識名霊園は個人墓が大半を占め、市管理の区画は10%、約七百二十基程度。市公園管理課によると、うち七百基は常に埋まっている状態という。担当者は「納骨堂も二千壇余りあるが、ほぼ満杯」と話した。

墓地基本計画には墓地の需要調査や墓地区域の設定、公営墓地の設置などが盛り込まれるが、策定済みなのは読谷、恩納、座間味の三村にとどまる。

公営墓地を持たない糸満市は、納骨堂の容量がほぼ限界という。同市は「今年中には墓の分布状況の調査に取り組みたい」とする。同じく公営墓地がない南城市は「墓地の調査費用を本年度の予算に盛り込むよう要求したが、認められなかった」と、各市町村の対応はまちまちだ。

那覇市の環境保全課は新規の公営墓地や同計画の策定について、「これから検討する」としている。

沖縄タイムス





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