最期もエコ 紙製の棺じわり浸透



最期もエコ 紙製の棺じわり浸透 300葬儀社取り扱い


 段ボールでできた棺(ひつぎ)のブームが、近いうち、来るかもしれない。木の棺と比べ、火葬のときの二酸化炭素(CO2)の排出量は減るし、くぎを使わないから火葬時間は短く、燃料節約にもつながる。「最期は地球に優しくありたい」。そんな思いから、「エコ棺」を選ぶ人がじわりと広がっている。


 「合板製よりも環境にやさしい棺がありますよ」

 愛知県西尾市で、段ボールの棺を扱っている文十冠婚葬祭の営業企画部長、荒川直人さんは、遺族にこう持ちかけている。

 いきなり「紙製」と持ち出すと、抵抗感を持つ人も多いため、こう続ける。「従来の合板製と比べ、火葬の際に発生する二酸化炭素の排出量が半分になるんです」

 関心を示した人には「紙製なんです」と打ち明ける。仕入れ値は紙製の方が2万円ほど高いが、値段が違うと安い合板製を選びがちになるため、同じ値段にしている。20~25%がエコ棺を選んでいるという。

 3層の段ボールでできているが、表面を布で覆ってあるので、一見しただけでは段ボールと気づかない。

 もともとは米国で広がり、10年ほど前から日本に輸入された。輸入元のトライウォール社(本社・東京)が国内生産に踏み切り、昨年11月から本格的に販売を始めた。すると全国の大手葬儀社が関心を示し、すでに約300の葬儀社が取り扱うようになった。

 国内で使用される棺の素材は、桐(きり)、ヒノキなどの無垢(むく)材である天然木と合板に大きくわかれ、安価な合板製がほとんど使われている。合板は材料は熱帯雨林のラワン材が主に使われ、大半がマレーシアやインドネシアから輸入されているという。インドネシアでは違法な伐採による森林破壊が深刻になり、洪水などの自然災害や地球温暖化の要因にも指摘されている。

 エコ棺が注目されるようになったのには、こうした背景がある。環境に配慮するため、副葬品としてよく棺に入れられる時計やメガネ、ゴルフクラブを、間伐材などを使った模型で代用する人も増えている。

 エコ棺は工業用の梱包(こんぽう)資材として開発された段ボールが使われ、合板製の棺に比べて原料の木材使用料は3分の2程度で済むという。納棺の際もくぎ打ちはせず、箱を重ねてはめる。化学系接着剤や塗料を使っていないため、燃焼時に発生する窒素酸化物(NOX)などの有害ガスも約3分の1に抑えられるという。

 トライウォール社の担当者は「葬儀によるダイオキシン類の発生なども指摘され、環境への配慮は葬儀屋さんにとっても大変重要になっている。まだまだシェアは低いが、少しずつ理解は深まっている」と話す。

出典元:asahi.com(2007/09/28)





▲このページの先頭に戻る