葬儀、お墓 自分流



葬儀、お墓 自分流 海上での散骨20万~50万円 「墓地いらない」13%


 人生の終わりに必要な費用はどれぐらい掛かるのだろう。葬儀やお墓にかかる費用は宗教も関係し、不明な部分が多い。寺に戒名の費用を尋ねたら「お気持ちで」と言われ、慌てて近所の人に聞いて回ったという話も伝わる。さらに墓を持てば墓参りなど永続的なかかわりや費用も発生する。近年は海などへの散骨も定着しつつあり、多様化してきた。


 日本消費者協会が平成15年に行った調査では、葬儀一式費用(葬儀社に支払った額)の全国平均は150万4000円だった。最低額は11万円、最高は400万円と幅が大きい。葬儀費用は人数などで大きく変動するため平均は目安でしかないが、最低額と最高額の差をみても、葬儀はいかに1件ごとに違うかが見て取れる。

 それとは別に、飲食接待費用は平均38万6000円が掛かる。さらには戒名、お経など寺院関係費用で平均48万6000円も。「戒名は30万円程度からだが、料金ではなく志なので明確なものはない」(葬祭業関係者)という。

 冠婚葬祭の互助会として関東中心にサービスを展開する「くらしの友」儀典部の堀田恵則課長は「よく聞かれるが、『普通』の形式はない。どんな疑問も尋ねて自分で納得することが重要だ」と話している。

 一方、墓地は、民営、公営、寺院墓地などに分かれる。実際に墓を造るのは石材店だ。

 墓地関連費用でよく耳にするのが永代使用料。全国展開する須藤石材池袋営業所長の萩原秀紀さんは「墓地の使用権で、土地と同じように価格差がある」と説明する。大都市圏以外では民営墓地は1平方メートル当たり10万円前後の場合があるが、都心の一等地の寺院墓地では500万円といった例も。最寄り駅が同じ場合、駅に近い方が一般的に永代使用料が高く、利便性が反映する。

 墓も個人の好みがあり千差万別。同社が紹介する千葉県船橋市内の霊園で試算してみた。1・5平方メートルの永代使用料は36万円から。墓石は材質で差があり、中国産御影石を使った場合、外柵など含んで工事費込みで100万円前後。高級な黒御影石で200万円前後だ。このほか手数料や寺院関係費用など諸費用を10万円程度と見積もる。総計は146万円から246万円程度。年間管理料は3000円だ。

 萩原さんは「墓地選びはカタログではなく、案内を頼んで実際に目で確かめることが重要だ」とアドバイスする。

 墓の場合、少子化進展で継承が続くかどうかが問題。そのため、ほかの人と一緒となる合葬形式も増えている。寺の永代供養墓の場合、一般的な仕組みは、一定期間は骨つぼのまま安置し、その後ほかの遺骨とともに葬る。最初から遺骨を一緒にする形式もある。費用は10万~100万円程度。基本的に年間管理料は必要ない。

 遺骨を自然にかえす散骨は、船や軽飛行機を使い海上で行う形式が多い。チャーターした場合は、20万~50万円。乗船せずに代行する場合は10万円以下の料金を掲げる業者もある。

 日本消費者協会の調査によると、墓地を持っていない人のうち、墓地購入に前向きの人は約30%、「自然葬などが希望で墓地はいらない」が約13%、合葬墓、永代供養墓は計約6%と、考え方も多様化している。

 同協会で葬儀関連冊子編集に携わった関沢七重出版編集部長は「葬儀や墓などの形式はさまざまで、生前に自分の希望を伝え、業者とも相談しておくことがベスト。遺族になったら、どんなに突然でも葬儀までには数日の余裕があるので、あわてずに複数の業者の見積もりを納得するまで検討すべきだ」とアドバイスしている。

出典元:Sankei WEB(2007/09/21)





▲このページの先頭に戻る